木製デッキへと続く枕木のアプローチ、天然芝、トネリコ、マートル
人気のビルダーさんから声を掛けていただき、ここしばらくお洒落な建物とのバランスを優先した庭づくりに取り組んでいます。
お庭のデザインは原則として建築が始まる前後からスタートしますので、お客さまのご希望も早い段階で伺うことができ、また地盤高や給排水設備の位置なども三者で検討してより使い勝手の良いお庭づくりが実現できます。
もちろんコストの削減も。
今回のこちらは、黒の鋼板と天然木のコントラストがお洒落なお宅です。モダンとナチュラル、無機色と有機色、硬と軟、冷と暖…。対極的な存在が隣り合うことで空間はここまで面白味を増すのだと感心しました。
当然お庭は後者に加担することになりますが、そうすることで空間に占める両者の割合が上下にほぼ半々となり、とてもバランスが良くなります。が、あまりバランスが良すぎても面白味がないので(笑)、ここで力を発揮するのが樹木ということになります。
ナチュラルの要素である樹木が地上から伸び上がってモダンな鋼板の前に掛かると、ここでも新しいコントラストが誕生し、両者の一体感も生み出してくれます。そのような空間演出に最もふさわしいのは…と考えて選択したのが、このトネリコでした。幹の優しい曲線と涼やかな緑、何よりも落葉によって夏と冬の表情が変わるのが魅力です。足元の常緑はマートル(ギンバイカ)。野性的な茂みというビルダーさんのリクエストにお応えしたのですが、花も咲き実もなり甘い香りを放つ大好きな樹の一つです。
これもビルダーさんとお客さま双方からのリクエストだったのは枕木のアプローチ。ただ地面に伏せた天然の枕木の劣化は激しく、下手をすればシロアリなどの温床ともなりかねませんので、当方からの提案でコンクリート製の擬木枕木を選ばせていただきました。本来なら建てて使う仕様のものを伏せることでより本物の質感を再現できたかと思っています。
お客さまはこの木製デッキの前の芝生の上で、バーベキューをするのが楽しみだとおっしゃいました。ご家族の楽しげなご様子が目に浮かぶようですね。